ウォレット・鍵管理

ウォレットや鍵管理に関するトラブル

ニーモニックコードを公開してしまった
暗号資産に興味はあるものの、安全性に不安があった。検索すると、物理的に盗まれない限り、ネットワーク越しに攻撃される心配はないハードウェアウォレットというものがあることがわかった。 評判の良いハードウェアウォレットを注文し、ようやく到着したので、念願の暗号資産デビューを果たし、記念にハードウェアウォレットの写真をSNSに投稿した。 数日後、ハードウェアウォレットは盗まれていないのに、暗号資産は勝手に他のアドレスに送金されていた。 実はSNSに投稿した写真に、ハードウェアウォレットと一緒にニーモニックコードが写りこんでいた。

ニーモニックコードとは、ウォレットで暗号資産の管理を始める時に生成される12~24個の単語で、ウォレットをなくしたりウォレットが壊れたりした時に復元するための、とても大事な情報です1

たとえハードウェアウォレットで管理していても、ニーモニックコードさえあれば暗号資産は復元可能ですので、ニーモニックコードは絶対に他人に知られないよう安全に管理してください。

他人に秘密鍵(署名鍵)を伝えたら資産を失った
ウォレットを利用していて、どうしてもわからないことがあり、SNSに書き込んだ。 すると、ウォレット公式サポートアカウントから連絡があり、解決方法を案内してくれた。 しかし、案内通りに操作を行ったところ、暗号資産が盗まれてしまった。

SNSには、絶えず困っている人を探して声をかけ、ニーモニックコードや秘密鍵、暗号資産をだまし取ろうとしている人がいます。そのような人たちは、暗号資産交換業者やウォレット、暗号資産関連プロジェクト等の公式サポートアカウントや運営関係者、有識者や著名人のアカウントを名乗っているだけで、実際にはまったく関係ない場合があります。

特に、相手がどんなに信頼できる人だと感じても、ニーモニックコードや秘密鍵は教えてはいけません。たとえ公式のサポートでも、ニーモニックコードや秘密鍵を尋ねることはありません。

また、他人に紹介されたソフトウェアやウェブサイトにニーモニックコードや秘密鍵を入力する際には、ニーモニックコードや秘密鍵をだまし取るために用意された、偽のソフトウェアやウェブサイトの可能性もあります。よく注意しましょう。紹介されたソフトウェアやウェブサイトが安全なものか、伝えられたURLは正規のURLか、自分で確かめてみることが重要です。

最近では、「ウォレットの操作を代行するビジネスを専門に行っている」と言って、秘密鍵やニーモニックコードを聞き出す個人や業者も存在します。ただ、他人のために秘密鍵等を使って暗号資産を管理することは、金融庁・財務局に登録された事業者だけが認められており、未登録の業者が行うことは認められていません(登録されている事業者は、金融庁のWebサイトで確認することができます)。このような個人や無登録の業者は、詐欺の可能性が高く、たとえ善意であっても安全管理が不十分である可能性や、暗号資産が意図せず移転(流出)するなどのトラブルがあった場合に誰に原因があるのかわからなくなる可能性があるため、利用しないようにしましょう。また、金融庁・財務局に登録された事業者が暗号資産を管理しているウォレットの秘密鍵やニーモニックコードを尋ねることはありません。

ウォレットの操作方法が分からず家族に相談する場合や、何らかのトラブル解決のため警察に相談する場合など、相手が信頼できる人物であっても、秘密鍵等を教えることは控えるべきです。相手に悪意がなくても、相手がウイルス感染や不正アクセスなどの攻撃を受けて情報が漏洩し、意図せぬ暗号資産の移転が生じる可能性があります。信頼できる人をトラブルに巻き込まないためにも、秘密鍵やニーモニックコードを伝えるのは控えましょう。

最終更新 November 6, 2022: contents (e93071f)